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はじめに

出典:intergreen.jp
出典:intergreen.jp

 

公開日:日本  2014年6月28日

監督:スパイクジョーンズ

主演:ホアキンフェニックス

脚本:スパイク・ジョーンズ

 

本作『her 世界で一つの彼女』は、『ゼログラビティ』同様に第86回アカデミー賞作品賞や脚本賞を含め、4部門にノミネートされた。

映画『ゼロ・グラビティ』〜 地上波では良さが伝わらない 〜

 

アラン・チューリングが提唱したチューリングテストというものがある。

これは隔離された部屋に居る人間に、例えばモニターとキーボードを用いて、人間とコンピュータがメッセージを送りあい会話を行う。

その際に、どちらが人間でどちらが人口知能かを判断するテストのことである。

将棋やチェス、囲碁の世界でのAIの飛躍が昨今有名だが、会話をするというのはより高度である。

相手の言葉や抑揚を理解し、膨大な言葉の海から文を紡ぎ取らねばならない。

人口知能と人間が会話をする時、愛は芽生えるのだろうか…

予告動画

あらすじ

映画の舞台は、近未来のロサンゼルスである。

主人公セオドア・トゥオンブリーの仕事は、相手に代わって手紙に愛のメッセージを書く代筆のライター。

人口知能と対話が出来る未来で、至って普通の生活をしている。

 

そんなある日、セオドアが最新のAI (人口知能)型のOSを起動させると、画面越しから女性の声が聞こえる。

名前はサマンサ。相手の口調で感情捉えたり、経験から学ぶ能力があったりする。

誰よりも人間らしく、面白く、純真で、セクシーだ。

 

妻と離婚して傷心しているセオドアといつも一緒にいて癒してくれるサマンサ。

デートをしたり旅行をしているうちに次第に心が惹かれあう。

果たしてセオドアとサマンサの恋の行方は…

感想・まとめ

本作は、人口知能と人間が互いに惹かれあい結びつこうとする。

しかし、彼女は肉体が存在しない声だけのプログラムだ。

交わることができない。ここに一つの葛藤の芽生えが感じられる。

 

『前妻に付き合っている人がいるんだ。』と伝えた際に、理解されることがなかった。

コンピュータと付き合っていることが理解されないのである。

セオドアのサマンサへの感情が嘘だとは思えない。ただ他の人間からは、人口知能に恋をするおかしな人間だと思われてしまう。

LGBTなどの問題もそうだが、少数派の意見を本当の意味で理解することはできないだろう。

ロボットやAIが進歩しようと、人間が変わらない限り、人間に本来備わっている根源的な生理現象まではなくすことができないのだ。

 

例えば、ランダムで選ばれた人の眼球の一つを、盲目の人に移植するという議題がある。

そうすれば、盲目の人を無くすことが出来る。しかし、誰もやることはないだろう。

嫌だからだ。人間は誰でも理論ではなく、感情で判断する部分は必ずある。

 

本作の結末は、サマンサがセオドアの他にも8316人と同時に会話をしていたのだ。

人工知能OSである以上当たり前の話だが、セオドアはずっと自分にしか話していないと思い込んでいる。

そして、たった二、三週間以内に641人と交際していたのだ。

人間は誰しもが二面性を持つ。しかし、この人といる時が本当の自分であるみたいな感情を抱かせる。

 

例えば、上司に嫌々頭を下げている自分と上司の愚痴を言っている自分という存在は、どちらも自分である。

どちらかが本当の自分で、どちらかが偽りの姿だということはない。

 

そして、VRと人工知能の発展により、これからどんどん恋愛する人口は減っていくだろうと予測される。

なぜなら、男女の恋愛感情の主原因は、子孫繁栄である。

しかし、私たち現代人はsexの快楽と結婚を切り離して考えるようになってしまった。

VRと人工知能を組み合わせた方が、理想の女性や男性とsex出来るのである。

恋愛をする人としない人たちの格差は、ますます増幅するだろう。